気づくと今年の2月18日頃に Oracle Database リファレンス 11.2 が B56311-04 に改訂されていました。
私は自作したツールであらかじめダウンロードしたリファレンスマニュアルをコマンドラインで参照しています。 このツールで過去に作成したデータと現在の差分を比較して、どのような変更があったのか確認してみました。表記の統一
- 「内部使用用」が「予約済」
- 値の説明における「-」の後ろの半角スペース2個が1個
- 説明における項目末尾の全角「:」が半角「:」
- 『Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス』が『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』
- 『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』が『Oracle Database Advanced Securityガイド』
- 「データベース・スマート・フラッシュ・キャッシュからの」が「データベース・スマート・フラッシュ・キャッシュまたはExadataスマート・フラッシュ・キャッシュからの」
第I部 初期化パラメータ
表記の統一
- 「〜から導出される。」が「〜から導出」
- 「によって決まります。」が「によって決定されます。」
追加された値
- CLONEDB (11.2.0.3〜)
変更の可/不可(基本以外→変更不可)
- CLUSTER_INTERCONNECTS
- COMPATIBLE
- DB_BLOCK_BUFFERS
- DB_FLASH_CACHE_FILE
- DISK_ASYNCH_IO
- OS_AUTHENT_PREFIX
- REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE
- REMOTE_OS_ROLES
変更の可/不可(変更不可→基本以外)
- CLUSTER_DATABASE_INSTANCES
- HI_SHARED_MEMORY_ADDRESS
- LOCK_NAME_SPACE
- OPEN_LINKS
- OS_ROLES
- REMOTE_OS_AUTHENT
- REPLICATION_DEPENDENCY_TRACKING
- SERIAL_REUSE
- UTL_FILE_DIR
基本/基本以外(基本以外→変更不可)
- COMMIT_WAIT
- CORE_DUMP_DEST
- CPU_COUNT
- DB_BLOCK_BUFFERS
- DB_FLASH_CACHE_FILE
- DB_LOST_WRITE_PROTECT
- DB_RECYCLE_CACHE_SIZE
- HASH_AREA_SIZE
- LISTENER_NETWORKS
- OPTIMIZER_USE_INVISIBLE_INDEXES
- PARALLEL_DEGREE_LIMIT
- PARALLEL_DEGREE_POLICY
- SEC_PROTOCOL_ERROR_FURTHER_ACTION
- SEC_RETURN_SERVER_RELEASE_BANNER
- SERVICE_NAMES
基本/基本以外(変更不可→基本以外)
- COMMIT_LOGGING
- COMMIT_WRITE
- CONTROL_FILE_RECORD_KEEP_TIME
- DB_BLOCK_CHECKING
- DB_FLASH_CACHE_SIZE
- DB_SECUREFILE
- DISPATCHERS
- HI_SHARED_MEMORY_ADDRESS
- JAVA_MAX_SESSIONSPACE_SIZE
- JAVA_POOL_SIZE
- OPTIMIZER_SECURE_VIEW_MERGING
- OPTIMIZER_USE_PENDING_STATISTICS
- RECYCLEBIN
- SERIAL_REUSE
値の変更
- LOG_ARCHIVE_CONFIG 最大9つ→最大30つの一意のデータベース名のリストを指定
- PARALLEL_MIN_TIME_THRESHOLD デフォルトでは、この値は30秒→10秒
- CURSOR_SHARING
SIMILAR
の記述が無くなりました。
第II部 静的データ・ディクショナリ・ビュー
ALL_TAB_PARTITIONS に以下の注意書きが追加。
次の列のうち、列の説明に2つのアスタリスク(**)が含まれるものについては、次のことが該当します。 列には、セグメント・レベルの属性(単純なパーティション表の場合)またはメタデータ(コンポジット・パーティション表の場合)に関する情報を表示できます。単純なパーティション表のパーティションには、データベースのデータ(セグメント)が物理的に含まれます。コンポジット・パーティション表では、パーティションはメタデータで、データ自体はサブパーティションに格納されます。
- TABLESPACE_NAME
- PCT_FREE
- PCT_USED
- INI_TRANS
- MAX_TRANS
- INITIAL_EXTENT
- NEXT_EXTENT
- MIN_EXTENT
- MAX_EXTENT
- MAX_SIZE
- PCT_INCREASE
- FREELISTS
- FREELIST_GROUPS
- LOGGING
- COMPRESSION
- BUFFER_POOL
- FLASH_CACHE
DBMS_MONITOR PL/SQLパッケージおよびDBA_ENABLED_TRACESビューの使用方法の詳細は、https://support.oracle.com にある次のサポート・ノートを参照してください。 DBMS_MONITORを使用した10gおよび11gの拡張機能のトレースに関するノート293361.1DBA_USERS の
PASSWORD_VERSIONS
の説明が変更。12C という単語が出てきています。
- パスワードが作成または変更されたデータベースのバージョン
- アカウントに対して存在するパスワード・ハッシュ(「ベリファイア」とも呼ばれる)のバージョンのリストを示す。PASSWORD_VERSIONS列の値には、大/小文字を区別しない古いORCLハッシュが存在する場合は10G、SHA-1ハッシュが存在する場合は11G、新しいSHA-2ベースのSHA-512ハッシュが存在する場合は12Cが含まれる。これらのベリファイアは、指定されたすべてのアカウントに対して任意に組み合せることができる。
追加された列
- DBA_ADDM_FINDINGS に
TYPE_ID
FLAGS
QUERY_IS_APPROX
が追加 - DBA_ADVISOR_FINDINGS に
TYPE_ID
FLAGS
が追加
変更された列
- DBA_RSRC_PLAN_DIRECTIVES の
QUEUING_P1
がQUEUEING_P1
第III部 動的パフォーマンス・ビュー
追加されたビュー
追加された列
- V$LOG に
NEXT_CHANGE#
NEXT_TIME
が追加
追加された項目
- V$ENCRYPTION_WALLET の
STATUS
(ウォレットのステータス)の説明に項目「OPEN_NO_MASTER_KEY」が追加
変更された列定義
- V$RESULT_CACHE_STATISTICS の
VALUE
(統計値)の型がNUMBER
からVARCHAR2(81)
に
A データベースの制限事項
物理データベースの制限
- 制御ファイルのサイズが「最大25000×(データベースのブロック・サイズ)」から「最大201031680の論理ブロック」
F バックグラウンド・プロセス
QMNC
(AQコーディネータ・プロセス)の詳細の最後の一文が訳されました。
- その場合、データベースによって「警告: AQ_TM_PROCESSESに0が設定されています。System might be adversely affected
- データベースによって「警告: AQ_TM_PROCESSESが0に設定されています。システムに悪影響を与える可能性があります。」
おわりに
やはりこういう比較はテキストに限りますね。今回は次のようなコマンドラインで待避していた一つ前の版と diff して見比べました。
% cd ~/.odoc_cache/112ja % find b56311-03 -name '*.txt' | while read f; do diff -u $f ${f/-03/}; done | view - -R
ここに挙げた以外にも細かい日本語の言い回しがより分かりやすくなっているところが多々ありました。日本語でこれだけ充実したマニュアルが参照できるのは有り難いですね。これからも十二分に活用させていただきたいと思います。
ところで初期化パラメータにおける説明の読み方で「変更の可/不可(Modifiable)」はありますが、今回結構変更のあった「基本/基本以外(Basic)」ってのは何でしょうね。
「基本/基本以外」という項目なのに取り得る値が「変更不可/基本以外」というのも妙な気もしますが。。。現在は 12c のマニュアルを前述したツールで参照できるように試みていますが、ファイル名の規則が変わったりしているためその対応に少し対応に時間がかかりそうです。マニュアルを diff することで、オフィシャルのアナウンスよりも細かな変更点を知れたら面白いなと思っています。
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