Japan Oracle User Group (JPOUG) 主催の JPOUG> SET EVENTS 20151017 に参加しましたのでその雑感を。
当日の様子は Togetter にまとめられています。
以下のセッションを聴講しました。
- 障害とオペミスに備える! Oracle Databaseのバックアップを考えよう
- 私はここでつまづいた! Oracle Database 11g から 12cへのアップグレードとOracle Database 12cの新機能
- Oracle Database Cloudを使ってみよう
- LT
- 緊急サポート24時
- パフォーマンスタブ見れないんですけど!!
- Oracle Database Standard EditionでセミオンラインDDL
- 意外と簡単“じゃなかった”Oracle Enterprise Manager 12cによる統合DB環境のCPU監視
- 新人SE女子がつまづいた Oracle Database 5つのこと
- DBエンジニアのスキルの現実と伸ばし方
障害とオペミスに備える! Oracle Databaseのバックアップを考えよう
Oracle Database におけるいくつかのバックアップの取得方法(DataPump、ユーザー管理バックアップ、Recovery Manager(RMAN))のメリットとデメリット。それと RMAN を用いたリストアのデモ。
- 或る飲兵衛DBエンジニアの雑記帳: JPOUG> SET EVENTS 20151017 でお話をさせて頂きました。
- 障害とオペミスに備える! ~Oracle Databaseのバックアップを考えよう~
ちょうど最近バックアップ方式について検討することがあったので参考になりました。インカネーションのことはすっかり忘れていました。デモでは SQL*Plus で時間ベースの不完全リカバリを実施していました。リストア、リカバリはあまり実行したことがないので、マニュアルや各種資料を確認して有事でも落ち着いて対処できるよう練習しておくことが必要だなと強く感じました。
- バックアップおよびリカバリ - Oracle Databaseオンライン・ドキュメント 12c リリース1 (12.1)
- バックアップおよびリカバリ - Oracle Databaseオンライン・ドキュメント 11g リリース2 (11.2)
- Oracle Recovery Manager(RMAN) - 概要(とは), 資料, マニュアル (オラクルエンジニア通信 - 技術資料、マニュアル、セミナー)
- B2-2 可用性:しばちょう先生による特別講義! RMANバックアップの運用と高速化チューニング - Oracle DBA & Developer Days 2014
私はここでつまづいた! Oracle Database 11g から 12cへのアップグレードとOracle Database 12cの新機能
Exadata 11.2 環境から 12.1 へのアップグレード案件での作業と注意点について。つまづきポイントやその対応が非常に参考になりました。初期化パラメータや Noteなど参考にしたい情報が非常にたくさん盛り込まれている資料が公開されることを楽しみにしています。
覚えている範囲で気になった点をいくつか。
- Storage Server を 12.1 にアップグレードすると、Database Server の Oracle Linux のバージョンは 5.9 から 6.6 に
- (クラスタ環境向けに?)OPatch を自動で適用する OPatchauto と言うのがあるが、怖いから使わなかった
- DBUA の仕様で、アップグレード後に隠しパラメータや local_listener, listener_networks が変更される
- VIP リソース名の変更
- 変更前: ora.<VIPリソース名>.vip
- 変更後: ora.<ノード名>_謎番号.vip
- SCAN VIP の項目番号が 0 オリジンに
- crsctl ではなく srvctl で行うようになったコマンドが増えた(vipの起動・停止)
- ILOM の画面がかっこよくなった
- サービス定義の自動起動設定によって、mount状態の PDB が CDB 再起動後にオープンしていた
- LREG による接続の認識は即時だが切断の認識は即時ではないので、大量接続試験時に PROCESSES 上限に達したので余裕を持った値にするように(Note 1733296.1)
- GRID_HOME を統合監査することは現時点ではいろいろと難しいので OS の rsyslog で管理
Exadata には関わったことがありませんが、アップグレードの考え方そのものは通常の RAC 構成の場合とそれほど変わりないものだなと分かりました(当然でしょうが)あと 12c の Flex ASM は便利そうだなと思いました。(一度変更すると戻すことはできないと非常に強調されていたもの気になる)現場で 12c を使う事はまだしばらく無いと思いますが、各種資料や積ん読の黒本とあわせて理解を深めておきたいところです。
- Oracle Database新機能ガイド, 12cリリース1 (12.1)
- Oracle Netアーキテクチャの理解 - Oracle Database Net Services管理者ガイド 12cリリース1 (12.1)
- Database 基礎 - OTN セミナー オンデマンド コンテンツ
Oracle Database Cloudを使ってみよう
登場して間もない Oracle Database Cloud についてデモを交えて紹介。さすがに会場内でも使用されている方はほとんどいなかったようです。
後日資料が公開されるとのことですので、覚えている点のメモ
- マネージドサービスはまだ未提供だがそろそろ
- Database Cloud 自身のコンポーネントや新規作成する DB の PSU は 2週間毎にアップグレードされる
- PSU は累積形式なので、過去に作成した DB とバージョンを揃えたければロールバック(して過去と同じバージョンの PSU を適用)できる
- ダッシュボードの日本語は、まだ直訳っぽいところがある
- Extreme Performance: 過剰なパフォーマンス (RAC + In-Memory + Active Data Guard)
- リスナーを管理する画面は直球(大きなスタートボタン、ストップボタン、lsnrctl status の出力)
- ASM はまだ提供されていないのでデータベースのストレージはファイルシステム
- ディスクの割り当ては LVM ベース。追加ごとに /u04 /u05 /u06 ...
- (Oracle VM の)Trusted Partition 機能を使っているので CPU のオーバープロビジョニングはない。ベアメタルと同じような性能
- いまならパブリックな IP アドレスが豊富に割り出される
- root 権限、SYSDBA 権限が使用できるので、JP1 エージェントなど、何でも入れようと思えば入れられる
- 各種スクリプトは /var/opt/oracle 以下にあるので参考に
LT: 緊急サポート24時
サポート業務にて問合せの多い事例をコンパクトに面白おかしく紹介。
- 自動診断リポジトリ(ADR)削除ポリシー外のリスナーログ肥大化(>4GB)
- ユーザー管理バックアップの END BACKUP 忘れでインスタンスが起動しない
- アーカイブログ出力先のディスクフル
- ディスクフルなのでログと名の付くファイルを消した(REDOログ、アーカイブREDOログ、フラッシュバックログ etc)
私の知らない TDE がとてもとてもツボにはまりました。
- T つながりません
- D ダウンしました
- E エラーがでました
- 自動診断リポジトリ(ADR) - 診断データの管理 - Oracle Database管理者ガイド 11gリリース2 (11.2)
- Oracle Net Servicesのトラブルシューティング - Oracle Database Net Services管理者ガイド 11gリリース2 (11.2)
- ユーザー管理データベース・バックアップの作成 - Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド 11g リリース2(11.2)
LT: パフォーマンスタブ見れないんですけど!!
とても COOL な Enterprise Manager が諸事情で使えない場合の、性能監視の代替として Fluentd + Growthforecast を紹介。調査すると Zabbix のプラグインもあることが分かったそうです。
Oracle の勉強会で Fluentd の名が出るとは思いませんでした。ちょうど現場でも性能監視と各種メトリクスの可視化を何とかしたいなと思っていた自分にはピッタリの話題でした。
- Fluentd | Open Source Data Collector | Unified Logging Layer
- GrowthForecast - Lightning fast Graphing / Visualization
- DAG: Dstat: Versatile resource statistics tool
- Orabbix
Fluentd も GrowthForecast もどのようなものかは認識していましたが、聞いただけでまったく手を動かして来ませんでしたので、先日参加したログ分析勉強会でも Fluentd がたくさんでてきましたので、いよいよ本腰入れて使ってみないとなと思いました。
LT: Oracle Database Standard EditionでセミオンラインDDL
Enterprise Edition が使用できない環境で MySQL における pt-online-schema-change のような仕組みを行うツールの紹介。作成中のツールが完成したら github で公開されるかも?
LT: 意外と簡単“じゃなかった”Oracle Enterprise Manager 12cによる統合DB環境のCPU監視
複数 DB が稼働する統合 DB 環境における EM の インスタンスごとの CPU 使用率監視について。実際に掛けた負荷と表示されるグラフが異なるので、共有プールをフラッシュして EM のメトリクス収集を手動実行し v$sql から該当クエリを確認したところ、その期間における平均値だったとのこと。
Zabbix や Nagios で参照できるメトリクスも期間を空けるほどデータが均らされてしまいますよね。自分で詳しくデータを取得したいのであれば V$SYSMETRIC_HISTORY などを参照しましょうとのことでした。
- 5.30.2 CPU使用率(/秒)(CPU Usage (per second)) - データベース・インスタンス - Oracle Enterprise Manager Oracle Database Plug-inメトリック・リファレンス・マニュアル プラグイン・リリース12.1.0.7
このメトリックには正しい値というものはありませんが、システムの動作における変化を検出するために使用できます。
- V$SYSMETRIC_HISTORY - Oracle Databaseリファレンス 11gリリース2 (11.2)
LT: 新人SE女子がつまづいた Oracle Database 5つのこと
新人時代にハマったこと。あるある〜かも?と思いながら聞いていました。
覚えていたところだけ。DataPump Import の REMAP_SCHEMA はよく使いますが、それとテーブル単位では指定したことがなかったので覚えておこうと思いました。audit ログを OS ファイルに出すようにした場合は i ノードの枯渇に注意します。
- REMAP_SCHEMA - データ・ポンプ・インポート - Oracle Databaseユーティリティ 11gリリース2 (11.2)
- AUDIT_TRAIL - Oracle Databaseリファレンス 11gリリース2 (11.2)
DBエンジニアのスキルの現実と伸ばし方
3年ほど前の JPOUG のイベントでのパネルディスカッションと同じような形式で、小田さんが司会となり林さん、会場の皆さんと共にディスカッション。
- JPOUG> SET EVENTS 20120721 | Japan Oracle User Group (JPOUG)
- JPOUGの7月21日のイベントの資料公開と、簡単なメモなど データベースコンサルタントのノウハウちょい見せ
- DBA のスキル傾向は、オペレーション、バックアップ、リカバリが得意だがセキュリティ、インフラ周りが苦手
- 単なるインフラ屋、単なる DBA、単なるオペレータの仕事は減ってゆく
- コミュニケーションとドキュメンテーションとインフラスキルが大事
- 「SQLチューニングをする際、ER 図みると速い」
- 「ER 図に触れる機会が少ない DBA でもデータディクショナリからモデリングを学ぶことも出来る」
- 「自分で環境を作ってみると、中の仕組みが分かる。それを自分で壊して、自分で直してみることも大事」
- 「見える化はコンサルの極意のひとつ」
- 「初心者に大事なのは何かを極めること」
- 「現場に出る機会が少なくなっても、レビューをこなすことでスキルを伸ばせる」
この話を聞いて以下の記事を思い出しました。この記事に限らずなぜ?なぜ?の検証の過程がまとめられていていつも参考になります。
セッション後半で会場に投影されている画面が Solstice というコラボレーションソフトを使っているとの発表されましたが、懇親会で林さんのお話を聞いたところ iPhone から専用アプリではなく AirPlay で表示しようとしたところが最初のほうで上手くいかなかったそうです。おわりに
運用の皆様、スピーカーの皆様ありがとうございました。いろいろなお話を聞けて非常に刺激を受けました。次回もぜひ参加させていただきたいと思います。
どうしても運用系を指向してしまうので今回は力セッションが聞けず残念でした。ブログ記事や公開資料を参考にしたいと思います。
- 基本設計を分担してはいけない: 設計者の発言
- 10/17にJPOUGで講演します - ミックのブログ
- #jpoug ハイパフォーマンスを実現する設計方法とSQLチューニング実践講座@JPOUG> SET EVENTS 20151017のまとめレポ
- JPOUGに登壇させていただきました。 - jfluteの日記
そういえばもうアドベントカレンダーを意識する季節になりました。大したネタではないですが宣言駆動執筆ということで今年も参加させて頂きます。今年こそ早め早めに仕上げておこうかなと思います。
JPOUGのアドベントカレンダーは、半年くらい前に下書き状態だったSQLclネタをアップデートしたものを、と考えています。
— Kazuhiro YOSHIKAWA (@yoshikaw) 2015, 10月 17
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